【人気3選】ゼネコンからの転職先で、人気の業種・職種は? 現役エージェントが解説
記事まとめ(要約)
- 人気の転職先は、ディベロッパー・コンストラクションマネジメント・不動産管理会社
- ゼネコンでの施工管理経験はかなり評価が高い
- 転職する際は、逆算して転職の軸を決めよう
ゼネコンで培った経験は、建設業界の中でも非常に評価されやすいスキルです。特に施工管理や現場監督としての知識・マネジメント力は、他業種・他職種へのキャリアアップにも直結します。しかし、いざ転職活動を始めると「どんな転職先が人気なのか」「ゼネコン出身のキャリアはどこで活かせるのか」迷う方も少なくありません。
本記事では、現役の転職エージェントが、ゼネコンからの転職で人気の業種・職種、失敗しない選び方、非公開求人を含むおすすめの活用法まで徹底解説します。

建キャリNEXT シニアコンサルタント
梶井 龍一郎
大学を卒業後、企画営業に従事
転職し20年以上人材業界に携わる。
現在は技術者をメインとしたキャリアサポートと人材教育を10年以上行っており、
累計6,000人以上の転職支援をサポートしている。
東京都出身、二児の父。
【2025年最新】ゼネコンからの転職市場の現状
建設業界の転職動向
建設業界は慢性的な人手不足と大型案件の増加によって、転職市場が活発です。特にゼネコンでの施工管理経験を持つ方は、即戦力として複数の求人企業から声がかかります。大手から中堅、不動産業界や設計事務所まで幅広く門戸が開かれています。
スーパーゼネコン・準大手ゼネコン・地場ゼネコン出身者は軒並み高評価
スーパーゼネコン出身者の「大規模・複雑案件を推進するマネジメント力」は最強の武器です。品質・工程・安全を横断する高度な統括力に加え、協力会社との調整力や多様なステークホルダーを束ねる折衝力は採用企業から一貫して高く評価されます。BIM/CIMやVE、リスクマネジメントの実装経験もアピール材料になります。
準大手・中堅ゼネコン出身者は「幅広い現場経験と実務の総合力」が強みです。公共・民間の多様な案件で、規模に応じて複数ロールを担ってきた柔軟性が評価されます。とくにコスト感覚に基づく現場運営、短工期対応、多能な段取り力は即戦力としての訴求点になります。
地場ゼネコン出身者は、「地域密着の顧客対応力×現場の即応力」が最大の強みです。少数精鋭で工程・品質・安全・原価(粗利)・積算・購買・近隣調整まで幅広く担ってきた経験は、あらゆる現場での“最後は自分で前に出してまとめ切る力”として評価されます。行政協議や住民説明、テナント/オーナー折衝といった対外調整力、緊急対応や夜間切替への即応性、地元協力会社のネットワーク活用力もアピール材料になります。
人気の転職先#1:不動産業界(ディベロッパー)
なぜ不動産業界が人気なのか?
ゼネコン経験者が最も多く流れる先の一つが不動産業界(ディベロッパー)です。企画から設計・施工・販売まで一貫して携われるため、上流工程での経験を積みたい方におすすめです。
実際にキャリア面談をしている際に、志望理由を聞くと『街づくり全体に関わりたい』『建物を造るだけでなく資産価値を高める仕事がしたい』『発注者側で意思決定に携わりたい』『施工管理で培った経験を事業開発に活かしたい』など、ディベロッパーに対する憧れや志向を語る方が非常に多くいます。
活かせるスキル
施工管理で培った工程・品質・安全管理のスキルは、開発企画や工事発注の段階で大きな強みとなります。現場経験から得た“工期の妥当性判断力”コスト感覚“リスクの先読み力”は、デベロッパーにとって極めて貴重な視点であり、建築計画やVE検討、協力会社選定に直結します。また、テナントやオーナーとの調整経験もプロジェクト推進に活かせ、さらに再開発・リニューアル・省エネ改修などの分野では、最新の建築技術やBIM/CIMの活用スキルが事業価値を高める武器となります。
ディベロッパーでの代表業務内容
- ・開発企画の立案
土地活用や再開発における建築計画を検討し、事業コンセプトや基本構想を策定する。 - ・事業収支・投資判断
建設コスト・賃料収入・維持管理費などを基に、事業収支シミュレーションを作成し、投資採算性を検証する。 - ・設計・施工会社の選定と発注
入札対応、見積査定、契約条件の交渉などを行い、最適な設計事務所やゼネコンを決定する。 - ・工程・コスト・品質のマネジメント
施工管理で培った現場感覚を活かし、工期の妥当性やコスト削減策(VE提案)、品質リスクの有無をチェックする。 - ・テナント・行政との調整
オフィスや商業施設では入居企業との調整、再開発では行政や近隣住民との協議を行い、プロジェクトを円滑に推進する。 - ・竣工後の運営・改修対応
竣工後の引き渡しに加え、長期修繕計画やリニューアル、設備更新、省エネ対応など資産価値を高める施策を立案する。
転職市場で人気の不動産ディベロッパー企業10選
- ・三井不動産株式会社
- ・三菱地所株式会社
- ・住友不動産株式会社
- ・野村不動産株式会社
- ・東京建物株式会社
- ・東急不動産株式会社
- ・大和ハウス工業株式会社
- ・積水ハウス株式会社
- ・三井ホーム株式会社
- ・森ビル株式会社
一般的な施工管理とデベロッパーの比較
一般的な施工管理 | デベロッパー |
---|---|
働き方 | |
現場対応が第一優先 予期せぬトラブルの対応に追われることも珍しくない。自身で業務量や予定を調整しづらい。 |
ワークライフバランス◎ デスクワーク中心。施主の立場のため、業務量をコントロールしやすい。 |
給与・待遇 | |
比較的高い給与 残業代や出張手当などもあるため、同世代と比べると給与は高い場合が多い。 |
給与/福利厚生◎ 特に大手企業は給与が高水準。福利厚生も充実している。 |
キャリアの将来性 | |
市場価値は担当現場次第 大規模な現場の経験がある人材は市場価値UP。しかし担当現場は自分の意志で選べない事が多い。 |
幅広いキャリアの選択肢 組織マネジメントや企画開発、コンサルティングなど、幅広いキャリアパスを描ける。 |
人気の転職先#2:コンストラクションマネジメント(CM)
発注者側の魅力と業務内容
「現場を動かす側」から「管理・発注する側」へのキャリアチェンジは人気です。公共事業や大規模開発で施工管理の経験が活きます。工期・コスト・品質を発注者の立場で統括するポジションは、安定志向の方から高い支持を得ています。
さらに発注者側では、単なる工事管理にとどまらず上流工程に携われる点が大きな魅力です。例えば、
- プロジェクトの基本計画・企画立案(建設規模や機能要件の整理)
- 建設費用や収益を見据えた事業収支シミュレーション
- 設計事務所や施工会社の入札・選定・契約交渉
- リスクマネジメント(予算超過や工期遅延を防ぐ仕組みづくり)
- 完成後を見据えた維持管理・修繕計画の立案
このように、発注者側の仕事は「建物をつくる」だけでなく「事業として成功させる」視点が求められるため、施工管理で培った現場感覚を上流の企画・投資判断に活かせる点がキャリアアップに直結します。
求人の特徴
発注者側のポジションは公開求人もありますが、機密性の高い案件が多く非公開求人として扱われるケースが目立ちます。実情や年収テーブルは転職エージェント経由の情報が得やすい傾向です。
また、書類選考を通過するには資格や学歴だけでなく「具体的な経験」が強く求められるのも特徴です。少数精鋭の組織であることが多いため、即戦力としてどんな案件をどのように動かしてきたかを明確に示せるかがポイントとなります。施工管理や現場監督としてのマネジメント実績、コスト削減や工程短縮などの成果を数値で示すと、選考通過率が大きく高まります。
コンストラクション・マネジメント(CM)企業の強み
CM企業の最大の強みは、発注者の立場で建設プロジェクト全体を俯瞰し、最適なマネジメントを提供できる点にあります。施工会社や設計事務所とは異なり、特定の工法やメーカーに縛られず技術的な中立性を保ちながら、最適な計画・設計・施工方法を提案できます。また、CMは高度な専門知識と豊富な経験を持つプロフェッショナル集団で、コスト削減・品質向上・工程管理の最適化を通じて発注者の利益最大化を支援します。とくに大規模開発や複雑案件では、設計・施工・運営の各フェーズでリスクを事前に洗い出し、スムーズなプロジェクト進行を可能にすることで、発注者の負担を大幅に軽減します。
転職市場で人気のコンストラクション・マネジメント(CM)/発注者支援の企業10選
- ・山下PMC株式会社(国内最大級のPM/CM専業)
- ・日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社(設計系CM)
- ・三菱地所設計コンストラクション・マネジメント株式会社(デベ系CM)
- ・株式会社日本設計コンストラクション・マネジメント(設計系CM)
- ・株式会社INA新建築研究所(CM部門を展開)
- ・株式会社久米設計コンストラクション・マネジメント(設計系CM)
- ・株式会社東急不動産R&Dセンター PM/CM事業部(不動産系CM)
- ・株式会社大建設計コンストラクション・マネジメント(設計・PM/CM)
- ・株式会社佐藤総合計画 PM/CM事業部
- ・株式会社梓設計コンストラクション・マネジメント(空港・スポーツ施設など強み)
一般的な施工管理とCMの比較
一般的な施工管理 | CM(発注者側/PM・CM) |
---|---|
働き方 | |
工事現場に常駐が基本 工程・安全・品質を現場で統括。案件によっては夜間・休日対応が発生。 |
内勤中心+定期的な現地確認 顧客側の立場で計画・調整・評価を担い、定例会や確認のため週数回現場訪問することが多い。 |
契約関係/責任範囲 | |
工事契約の当事者 元請/一次受けとして安全・品質・出来形に直接責任を負う。 |
発注者の代理・助言者(代理型CMが一般的) 工事契約は持たず、コスト・工程・品質(QCD)のマネジメントに専念。 |
給与・待遇 | |
評価の基準は会社次第 年功要素が残る企業もある一方、役割・資格・案件難易度を評価する制度も増加。 |
成果・KPI重視の傾向 コスト圧縮・工期短縮・品質確保などプロジェクト成果や顧客満足で評価されやすい。 |
キャリアの将来性 | |
技術スペシャリストへ 所長/工事長/専門技術(品質・安全・BIM/CIM)などに深化しやすい。 |
ゼネラリスト/上流へ展開 PM/CM、発注者支援、上流の事業企画・アセットマネジメント領域にも広がる。 |
夜勤・残業の傾向(一般論) | |
工程次第で偏りやすい 切替・立上げ等で夜間・休日対応が増えるタイミングあり。 |
山谷があるが夜間は少なめ 入札・重要工程前後は繁忙だが、夜間対応は相対的に少ない傾向。 |
人気の転職先#3:不動産管理会社
不動産管理会社の魅力
「建物を建てる立場」から「建物を維持・運営する立場」へのキャリアチェンジも人気です。オフィスビル、商業施設、マンションなどの管理・保守・リニューアルを担う不動産管理会社は、安定した需要があり、ゼネコン出身の施工管理や現場監督の経験が大いに活かされます。建物の長寿命化や再開発に伴い、今後も高い需要が見込まれる分野です。
また、ゼネコンに比べ夜勤や長時間残業が少ない傾向があり、ワークライフバランスを重視する方から高い支持を得ています。ただし、実際の求人票には「夜間対応なし」と記載しづらいケースもあるため、転職エージェントを通じて実態を確認することが重要です。
不動産管理会社や自社物件を保有する企業では、省エネルギー対応の設備更新、入居率向上を狙った価値向上施策、耐震・改修・修繕工事の要否判断と工事計画の立案、および現場監理までを一気通貫で担います。さらに、建物の長寿命化と資産価値の向上を図るため、最新の建築技術や環境配慮型設備の導入を積極的に推進。オーナー/テナントのニーズに応じた快適な空間づくりを目指しながら、コスト削減とエネルギー効率の最適化にも取り組みます。加えて、不動産市場の動向を踏まえた戦略的な管理計画を立案し投資効果の最大化を図るなど、単なる「維持」ではなく資産価値を高める攻めの管理を行うのが特長です。ゼネコンで培った施工視点は、企画・計画段階での実行可能性検証(工法・工程・コスト)や協力会社調整に直結し、即戦力として評価されやすい領域です。
求人の特徴
不動産管理会社の求人は、公開求人もありますが非公開求人として扱われることが多いです。特に大手不動産デベロッパー系の管理会社(例:三井不動産ファシリティーズ、三菱地所コミュニティ、住友不動産建物サービスなど)は、転職エージェント経由での募集が主流です。待遇改善や安定した労働環境を求めるゼネコン出身者にはおすすめのキャリアパスといえるでしょう。
転職市場で人気の不動産管理会社10選
- ・三菱地所コミュニティ株式会社(三菱地所グループ)
- ・住友不動産建物サービス株式会社(住友不動産グループ)
- ・野村不動産パートナーズ株式会社(野村不動産グループ)
- ・東京建物アメニティサポート株式会社(東京建物グループ)
- ・東急コミュニティー株式会社(東急不動産ホールディングス傘下)
- ・大和ライフネクスト株式会社(大和ハウスグループ)
- ・住商ビルマネジメント株式会社(住友商事グループ)
- ・NTTファシリティーズ(NTTグループ)
- ・伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社(伊藤忠グループ)
- ・日本ハウズイング株式会社(独立系大手)
- ・ザイマックスグループ(独立系大手)
一般的な施工管理と不動産管理会社の比較
一般的な施工管理 | 不動産管理会社 |
---|---|
働き方 | |
仕事>プライベート 長期出張や全国転勤の可能性大。残業月80時間は当たり前で、体調を崩すリスクと隣り合わせ。 |
残業少なめ&休日しっかり 発注者側としての工事発注や調整がメイン。プライベートを充実させながら働ける。 |
給与・待遇 | |
給与UPには代償が必要… 給与は比較的高い傾向だが、さらなる給与UPの為には厳しい働き方が必要な場合も。 |
着実な昇給・昇格 大手グループ会社であることが多く、明確な評価体制がある。堅実に給与を上げていくことができる。 |
キャリアの将来性 | |
スキル分野が限定的 建築なら建築、電気なら電気、などと、獲得できるスキルの分野が限定的。 |
幅広い知見を持った人材へ 建築・空調・給排水・電気・通信など、幅広い分野の知識と経験を積むことができる。 |
転職理由から“おすすめ進路”を逆算する
ゼネコンから転職する際にまず考えるべきなのは「どこへ行くか」ではなく、「なぜ転職するのか」=転職理由の整理です。理由が明確になれば、自分に合う進路も自ずと見えてきます。
自分の理想(働き方/役割/年収/専門性/勤務地)を起点に選ぶことで、ミスマッチを最小化できます。候補が見えたら、転職エージェントを活用して非公開求人や労働環境の実情、評価軸を確認しつつ、職務経歴書・面接回答を志望先の言語に最適化していきましょう。
よくある転職理由(例)
- ・現場で働き続けながら、発注者側の視点も身につけたい
- ・夜勤や長時間残業を減らしたい(働き方の改善)
- ・設備・省エネ・改修など特定分野で専門性を深めたい
- ・事業企画や投資判断など、より上流の工程に関わりたい
- ・転勤を抑え、地域に根ざして働きたい
- ・大規模プロジェクトのスケール感を維持したい
こうしたニーズごとに、ディベロッパー・PM/CM(発注者支援)・不動産管理会社の進路が変わるので、自身の理想(働き方/役割/年収/専門性/勤務地)から逆算して、転職活動をしましょう。
まとめ総括|“逆算”して最適ルートを選ぶ
ゼネコン出身者は、施工管理や現場監督で培った QCD統括・安全管理・協力会社調整・VE提案 といった強力な経験資産を持っています。これらは転職市場でかなり高く評価され、キャリアアップにつながります。
もし転職を考えるなら、非公開求人の情報や面接対策までトータルでサポートできる転職エージェントを活用するのがおすすめです。
まずは、自分の理想(働き方・役割・年収・専門性・勤務地)を整理し、それに合った進路を逆算してみてください。私たちが二人三脚でサポートします。