建築施工管理技士は未経験からでも取れる?仕事内容・将来性・平均年収をプロが解説
更新日:2025年11月30日
記事まとめ(要約)
- 建築施工管理技士は、建築工事の品質・工程・安全・原価を総合的に管理する専門職で、現場の「司令塔」となる国家資格。
- 資格は1級と2級があり、1級は大規模工事の監理技術者になれる一方、2級は中小規模工事で主任技術者として活躍できる。
- 受験には一定の実務経験が必要で、1級は特に経験年数が多く求められ、難易度も高いが取得メリットは非常に大きい。
- 取得メリットには「キャリアアップ」「資格手当」「転職市場での高評価」などがあり、企業側からの需要も高い。
- 平均年収は最低でも1級で600万円~、2級は〜550万円が中心だが資格手当や会社規模で差が出やすい。
- 人材不足が続く建設業界では長期的に活躍できる安定した資格で、施工管理職としての市場価値を高めたい人に最適。
建設業界でキャリアアップを目指す多くの人が取得を目指す国家資格が建築施工管理技士です。 特に近年は、建築業界の人材不足が深刻化しており、施工管理分野での専門資格を持つ人材は以前より高く評価されるようになっています。
この記事は、「建築施工管理技士とはどんな資格なのか知りたい」、「1級と2級の違いを詳しく比較したい」、「実務経験がどれくらい必要なのか知りたい」といった疑問を持つ方に向けて、体系的にわかりやすくまとめています。
初めて施工管理技士を目指す方でも理解しやすいように構成していますので、資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
建キャリNEXT シニアコンサルタント
梶井 龍一郎
大学を卒業後、企画営業に従事
転職し20年以上人材業界に携わる。
現在は技術者をメインとしたキャリアサポートと人材教育を10年以上行っており、
累計6,000人以上の転職支援をサポートしている。
東京都出身、二児の父。
建築施工管理技士とは?
建築施工管理技士の概要
建築施工管理技士とは、建設現場における工事の品質・安全・工程・原価などを総合的に管理する専門職です。一般建設業・特定建設業いずれの現場においても、一定規模以上の工事では「主任技術者」や「監理技術者」として国家資格保有者が配置されなければなりません。この「主任技術者」「監理技術者」として従事できる主要資格の一つが建築施工管理技士です。
試験制度と等級
建築施工管理技士の資格は1級と2級に分かれており、それぞれ受験資格・担当できる工事規模・役割が異なります。試験は第一次検定(筆記)と第二次検定(実務試験)の二段階で構成され、第一次合格後は一定期間学科合格(第一次検定合格)として保持できる制度があります。
1級建築施工管理技士と2級建築施工管理技士の違い
1級・2級の違いをわかりやすく比較
建築施工管理技士は1級と2級に分かれており、
担当できる工事規模・受験資格・実務経験年数・難易度に違いがあります。
以下の表では、それぞれの特徴をひと目で比較できるよう整理しています。
| 1級建築施工管理技士 | 2級建築施工管理技士 |
|---|---|
|
担当できる工事規模 |
|
|
・あらゆる規模の建築工事を担当可能 ・大規模工事の監理技術者になれる |
・中小規模の建築工事を担当 ・主任技術者として従事可能(大規模工事には制限) |
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受験資格・実務経験 |
|
|
・3〜10年程度の実務経験が必要 ・学歴により必要年数が異なる |
・実務経験1〜2年から受験可能 ・未経験からでも比較的目指しやすい |
|
試験難易度 |
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|
・合格率20〜30%台 ・第二次検定では記述式中心 ・実務理解が合格の鍵 |
・1級よりも基礎的な内容が中心 ・比較的合格しやすい |
|
業界での評価 |
|
|
・大規模工事の責任者として高評価 ・キャリアアップ・年収アップに直結 |
・若手〜中堅のスキル証明として有効 ・施工管理職の入門資格として評価 |
1級・2級建築施工管理技士の受験資格(新制度対応)
建築施工管理技士の受験資格は、2024年度以降の制度改正により大きく簡素化されました。
ここでは実際の受験に必要な条件だけを、1級・2級ごとに分かりやすく整理しています。
詳細は必ず最新の「受検の手引き」をご確認ください。
| 区分 | 受験できる検定 | 必要条件 |
|---|---|---|
| 第一次検定(学科) | 1級 第一次検定 |
・試験実施年度に満19歳以上 ・学歴・職歴は不問(誰でも受験可能) ・合格すると「建築施工管理技士補(技士補)」として登録可能 |
| 第二次検定(実務) | 1級 第二次検定 |
・1級第一次検定に合格していること ・第一次検定合格後、一定の実務経験が必要 └ 実務経験5年以上 もしくは 特定実務経験3年以上 など ※学歴により必要年数が変わる場合あり(公式手引きを要確認) |
実務経験とは?(最低限知っておくべき定義)
施工管理技士試験でいう実務経験とは、
建築工事の現場で「施工管理の補助または実務」を行った経験を指します。
以下のような業務が代表例です。
- 工程管理の補助(職人の段取り、スケジュール確認)
- 品質管理(配筋チェック、仕上げ確認など)
- 安全管理(KY活動、危険箇所の確認)
- 施工写真の撮影・整理
- 現場での測量・墨出しの補助
- 材料・資材の手配
特定実務経験とは?
特定実務経験とは、建設業法に基づいた一定規模以上の工事の施工管理で、
主任技術者または監理技術者の補助として従事した経験を指します。
一般の実務経験よりも高度な内容が含まれるため、
1級第二次検定では「3年以上」で受験可能になる優遇があります。
※実務経験の対象となる工事は「建築工事」に限られ、設備・土木などは含まれません。
※詳しい区分や例外は「受検の手引き」に記載されています。
| 区分 | 受験できる検定 | 必要条件 |
|---|---|---|
| 第一次検定(学科) | 2級 第一次検定 |
・試験実施年度に満17歳以上 ・学歴・職歴不問(誰でも受験可能) ・高校生も受験可能 |
| 第二次検定(実務) | 2級 第二次検定 |
・2級第一次検定に合格していること + 実務経験3年以上 または ・1級第一次検定合格者 + 実務経験1年以上 または ・一級建築士試験合格者 + 実務経験1年以上 |
※上記は2024年度以降の新制度に基づく内容です。
経過措置や詳細な証明方法は最新の「受検の手引き」でご確認ください。
2026年(令和8年度)建築施工管理技士試験日
2026年(令和8年度)の建築施工管理技術検定試験日程は、
国土交通省が公開している最新の「技術検定スケジュール」をもとにまとめています。
| 区分 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第一次検定 | 2026年7月19日(日) | 2026年8月25日(火) |
| 第二次検定 | 2026年10月18日(日) | 2027年1月8日(金) |
| 区分 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第一次検定(前期) | 2026年6月14日(日) | 2026年7月13日(月) |
| 第一次検定(後期) | 2026年11月8日(日) | 2026年12月21日(月) |
| 第二次検定 | 2026年11月8日(日) | 2027年2月5日(金) |
※出典:国土交通省「令和8年度 技術検定スケジュール」
https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000662.html
各種資格取得のメリットは?
キャリアアップ・昇給に直結
建築施工管理技士を取得すると、現場では主任技術者・監理技術者として配置できるため、企業にとって非常に価値の高い存在になります。結果として役職昇格や給与アップ、現場責任者としての信頼向上が期待できます。
建設業法上の重要資格として評価が高い
建設業法では、工事の種類によって配置技術者が義務付けられており、建築施工管理技士はその代表的資格です。資格者がいないと請け負える工事規模が制限されるため、企業は資格者を積極的に採用します。これが就職・転職で強い武器になります。
業務範囲の拡大
資格を取得することで、施工計画書作成、協力会社との調整、品質管理、工程管理、安全管理などの幅広い業務を担当できます。さらに、1級合格者は監理技術者講習を受講することで、より大規模な工事を任されるようになります。
各種資格の平均年収は?
1級建築施工管理技士の平均年収
1級建築施工管理技士の平均年収は約600万円〜とされています。大手ゼネコンでは年収1,000万円超も珍しくありません。特に現場常駐が必須のポジションであり責任も大きいため、その分評価も高くなっています。
2級建築施工管理技士の平均年収
2級建築施工管理技士は約450〜550万円が一般的です。地方中小企業の場合はやや低くなりますが、資格手当が付く会社も多く、資格の有無で年収差が出やすい職種です。
経験年数・所属企業による差
施工管理は実務経験が非常に重視されるため、経験20年以上で1級建築施工管理資格を持つベテランは1,000万円に到達するケースもあります。また、都市部の大規模工事を多く手掛ける企業ほど給与は高くなる傾向があります。
まとめ
建築施工管理技士は、建設業界における品質・安全・工程・原価4の大管理を担う最重要ポジションであり、 大規模な建築物から中小規模の工事まで、現場を統括する専門技術者として高い需要があります。 施工管理の専門性を証明できる国家資格として、企業からの評価も極めて高く、 建設業界で安定したキャリアを築きたい人にとって欠かせない資格です。
また、建築施工管理技士には1級と2級があり、それぞれ担当できる工事規模や受験資格・難易度に明確な違いがあります。 特に1級建築施工管理技士は、大規模工事の監理技術者として配置できるため、 大手ゼネコンや中堅建設会社を中心に高く評価され、年収・役職ともに優遇されるケースが多く見られます。 2級は比較的受験しやすく、施工管理職としてのスタートラインに立つための資格として最適です。
さらに、資格を取得することで年収アップ・資格手当の増加・キャリアの選択肢の拡大といったメリットも多く、 実務経験を積むほど市場価値は大きく向上します。建設業界全体で人材不足が続く中、 施工管理技士は今後も長期的・安定的に求められる職種であり、資格保有者は転職市場でも非常に有利です。
これから建築業界で着実にキャリアを築きたい方、あるいは年収アップやキャリアチェンジを目指す方にとって、 建築施工管理技士は生涯にわたって価値の高い国家資格と言えるでしょう。 自分の実務経験やキャリアプランに合わせて、まずは2級から挑戦するのか、 一気に1級を目指すのかを検討し、計画的に学習を進めることをおすすめします。
建築施工管理技士の取得は、キャリア・年収のどちらにも大きなメリットがあります。 資格取得後のキャリア相談や転職支援をご希望の方は、 建キャリNEXTの無料アドバイザー面談をご活用ください。
