リフォーム・リノベーションが「今」業界で最も熱い市場?|転職するなら今がねらい目
更新日:2026年03月10日
この記事でわかること
- 新築需要が縮小する中でリフォーム・リノベーション市場だけが拡大を続けている背景と具体的な数字
- 省エネ義務化・空き家問題・働き方改革など、市場成長を後押しする5つの社会的要因
- 建設業界出身者がこの市場で「今すぐ転職すべき理由」と、タイミングを逃すとどうなるか
- 転職を成功させるために事前に知っておくべき企業タイプの違いと選び方のポイント
- 実際に転職した建設業界出身者がどんなポジションで活躍しているかの具体例
「新築の仕事が減ってきた」「このまま今の会社にいて大丈夫か」——建設業界で働いていると、市場の変化を肌で感じている方も多いのではないでしょうか。
実はいま、建設業界の中でリフォーム・リノベーション業界だけが確実に成長しています。少子化・人口減少・空き家の増加・省エネ義務化……社会の変化がすべて「既存建物の改修需要」に直結しており、施工管理や設計の即戦力人材を求める声が業界全体で高まっています。
本記事では、なぜリフォーム・リノベーション業界が「今」最もねらい目なのか、市場データと社会的背景をもとに解説します。転職を検討している建設業界の方はぜひ参考にしてください。
建キャリNEXT シニアコンサルタント
梶井 龍一郎
大学卒業後、企画営業に従事。転職後は20年以上にわたり人材業界に携わる。現在は技術者を中心としたキャリアサポートと人材教育を10年以上担当し、累計6,000人以上の転職を支援。建築・設計職の転職市場に精通。東京都出身、二児の父。
リフォーム・リノベーション市場の「今」を数字で見る
新築が縮小するなかで、改修市場だけが伸び続けている
建設業界全体では新築着工件数の減少が続いています。一方で、リフォーム・リノベーション市場は年間6〜7兆円規模で推移しており、今後さらなる拡大が見込まれています。国土交通省の推計でも、2030年代にかけてリフォーム市場は12兆円を超える水準への成長が示されています。
「建物があれば仕事がある」市場の安定性
新築市場は景気・金利・人口動態の影響を直接受けます。しかしリフォーム・リノベーション市場は「すでに存在する建物の維持・更新」という需要が母体であるため、景気後退局面でも一定の仕事量が維持されやすい特性があります。特に非住宅(オフィス・医療・ホテル・工場)の大規模改修は、企業の設備投資サイクルに連動した安定した需要が存在します。
🔑 ポイント
新築着工件数は2000年代以降ほぼ一貫して減少しているのに対し、リフォーム投資額は2010年代から継続的に増加トレンドにあります。建設業界の中でも「どの市場にいるか」で将来性が大きく異なります。
なぜ今この市場が熱いのか:5つの社会的背景
市場成長を後押しする構造的な要因が重なっている
リフォーム・リノベーション市場が今これほど注目されているのは、単なるブームではありません。複数の社会的トレンドが同時に改修需要を押し上げていることが背景にあります。
① 空き家・ストック住宅の活用推進
全国の空き家は2023年時点で900万戸を超え過去最多を更新。国は「空き家対策特別措置法」の改正や補助制度の整備を通じて既存住宅の活用を積極推進しており、リノベーション需要の底上げが続いています。
② 省エネ義務化・脱炭素化の波
2025年から住宅の省エネ基準適合が原則義務化。既存建物の断熱改修・ZEH化・設備更新の需要が急増しています。補助金制度(こどもエコすまい支援など)も後押しし、省エネ改修の案件は今後10年以上続くとみられています。
③ オフィス・非住宅建物の大規模改修サイクル
バブル期〜2000年代に建設されたオフィスビル・工場・商業施設・医療施設が改修適齢期に入っています。特にテナント誘致・BCP対応・設備更新を目的とした大規模改修の発注が増加しており、ゼネコン・サブコン経験者が求められています。
④ 中古+リノベーションという新しい住宅購入スタイルの定着
「中古住宅を買ってフルリノベーション」という購入スタイルが特に30〜40代の間で定着してきました。不動産会社がリノベーションを組み込んだワンストップサービスを展開する企業が増え、設計・施工管理の一体的な需要が拡大しています。
⑤ 熟練技術者の高齢化による深刻な人手不足
リフォーム・リノベーション業界の現場を支えてきた職人・施工管理者の高齢化が進み、即戦力の中途採用ニーズが急速に高まっています。建設業界出身の若手・中堅層に対する求人のオファー水準も年々上昇しており、「売り手市場」の状態が続いています。
建設業界出身者が「今すぐ転職すべき」理由
タイミングが重要な3つの理由
市場が成長しているからといって、いつ転職してもいいわけではありません。建設業界出身者にとって、今この時期が特に転職の好機である理由があります。
需要のピークは「今から5〜10年」——参入が早いほど有利なポジションを取れる
省エネ義務化・大規模改修サイクル・空き家活用の需要は2030年代にかけてピークを迎えると予測されています。今参入すれば経験を積みながら市場の成長に乗ることができます。5年後に転職を考えてからでは、すでに業界経験者との差がついてしまいます。
人手不足のいま、採用条件・年収の交渉余地が最も大きい
施工管理技士・建築士などの資格保有者に対するオファーは、現在が過去10年で最も好条件の水準にあります。人手不足が解消されれば条件は落ち着く方向に動きます。「売り手市場」のうちに転職する方が、年収・役職・勤務地などの条件を有利に交渉できます。
年齢が上がるほど「未経験扱い」のハードルが上がる
建設業界での経験は即戦力として評価されますが、転職市場では「改修工事の現場経験ゼロ」という点で年齢による評価差が出やすくなります。30代のうちに転職する方が、ポテンシャル採用の門が広く、リーダーポジションへの昇格も早くなる傾向があります。
🔑 よくある「待ち」の落とし穴
「もう少し現職でスキルを積んでから」と考える方も多いですが、リフォーム・リノベーション業界が求めているのは「改修に関する経験」ではなく、建設業界で培った工程管理・調整力・法規知識そのものです。今の時点でもすでに十分な武器を持っています。
どんな企業を選べばいいか:タイプ別の特徴と向き不向き
リフォーム・リノベーション企業は大きく4タイプある
ひと口に「リフォーム・リノベーション会社」といっても、扱う建物の種類・事業構造・求められる役割は企業によって大きく異なります。自分の経験と目指すキャリアに合ったタイプを選ぶことがミスマッチを防ぐ最大のポイントです。
| 企業タイプ | 特徴・扱う案件 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 大手ハウスメーカー系 リフォーム会社 |
グループ顧客を中心に住宅リフォームを展開。ブランド力があり安定性が高い。工事は協力会社に外注する「コーディネート型」が多い | 安定重視・顧客折衝スキルを活かしたい人 |
| 独立系リノベーション会社 (設計施工一体型) |
設計から施工まで自社で手がける。中古マンション・戸建てのフルリノベが中心。裁量が大きく成長しやすいが規模は中小が多い | 設計・提案スキルを伸ばしたい人・若手 |
| ゼネコン系・建設会社の リノベーション部門 |
非住宅(オフィス・医療・ホテル・工場)の大規模改修が中心。施工管理の経験がそのまま活きる。ゼネコン経験者との親和性が最も高い | 施工管理経験者・大規模案件志向の人 |
| 不動産×リノベ ワンストップ型 |
中古物件の仕入れ・設計・施工・販売まで一社で完結。宅建・建築士両方が活きる。市場成長が最も急な領域のひとつ | 不動産知識もある人・幅広いキャリアを描きたい人 |
「住宅か非住宅か」だけは先に決めておく
企業タイプを問わず、まず「住宅系か非住宅系か」という軸は転職前に明確にしておきましょう。住宅系は顧客折衝・提案のウエイトが高く、非住宅系は施工管理・工程調整のウエイトが高い傾向があります。ゼネコン・サブコン出身者は非住宅の大規模改修案件を扱う企業が最もスムーズに転職できるルートです。
転職した建設経験者の活躍例
実際にどんなポジションで活躍しているか
建キャリNEXTでサポートした転職事例をもとに、建設業界出身者がリフォーム・リノベーション業界でどのように活躍しているかをまとめます。
| 前職・経験 | 転職先・ポジション | 活躍のポイント |
|---|---|---|
| ゼネコン施工管理 (10年・1級建築施工管理技士) |
ゼネコン系リノベ会社の現場監理リーダー | 大規模オフィス改修の工程管理を即担当。入社半年でプロジェクトリーダーに昇格 |
| サブコン(電気設備) (8年・電気工事施工管理技士) |
非住宅リノベ会社の設備改修担当 | 病院・工場の電気設備更新案件を一手に担当。競合他社にはない専門性として採用 |
| 設計事務所勤務 (6年・2級建築士) |
独立系リノベ会社の設計・プランナー | 既存建物のリノベプランを担当。法規知識と図面スキルが即戦力に。宅建も取得し年収アップ |
| 住宅メーカー営業 (5年・宅建保有) |
不動産×リノベ会社のコンサルタント | 中古購入+リノベのワンストップ提案を担当。顧客折衝経験と宅建が組み合わさり高い成約率 |
💬 キャリアアドバイザーより
「改修の経験がないので不安」という声をよくいただきますが、建設業界で身につけた工程管理・法規知識・関係者調整力は、リフォーム・リノベーション会社が最も求めているスキルです。多くの方が入社後3〜6ヶ月で即戦力として評価されています。
まとめ|市場の成長に乗るなら、動くのは今
建設業界の中で「成長する市場」にいることが、キャリアの安定につながる
リフォーム・リノベーション市場は、空き家問題・省エネ義務化・非住宅の大規模改修サイクルという複数の構造的要因によって、今後10年以上にわたり成長が続くと見込まれています。新築市場が縮小する中、建設業界の中で最も需要が拡大している市場がここにあります。
「今が最もいいタイミング」である3つの理由を忘れずに
人手不足による売り手市場・需要ピーク前の参入・年齢によるポテンシャル評価——この3つが重なる今の時期は、建設業界出身者にとってリフォーム・リノベーション業界への転職における最大のチャンスです。
「まだ早い」「もう少し現職で…」と待っている間に、タイミングを逃してしまうケースを私たちは数多く見てきました。今の経験・資格で十分戦える市場があります。まずは一度、私たちキャリアアドバイザーにご相談ください。
